かつてリックくんは、再発を繰り返す皮膚病と胃腸障害に悩まされていました。
トラブル発生のたびに、定法に従った西洋医学的な治療を行うと一旦は治るのですが、すぐにまた似たような問題に見舞われる感じで、暑さ寒さなどの外部環境の変動にとても耐性が低い印象でした。
その後導入された当院の中医学的な診療水準の向上と軌を一にして、リックくんの治療も質的な変貌を遂げ、オーナーさんの正確で息の長い管理に守られ、現在ではとてもシンプルな漢方処方による養生だけで、病気知らずの毎日を送っています。
治りにくく、容易に再発する皮膚病の原因を消化器系の脆弱さに求める視点や、リックくんのように器質的な病変を伴わない消化器症状に対する具体的な治療は、一般的な西洋医学が特に苦手とする領域。
感染症の急性期や外傷には西洋医学を、慢性疾患や再発を繰り返す病態には中医学をというふうに、時宜にかなった治療哲学や体系を選択できる強みが奏功した好例であると言えそうです。
ピンバック: 「あおぞら診療日記『リックくん』」を掲載 - あおぞら動物医院