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ただし、説明と合意形成が形式上十分になされてもなお、動物病院が「費用問題」という切り口で語られる可能性が残る余地については、我々獣医療提供者の側が十分考慮しなければなりません。
我々獣医師が、善良な管理者として獣医学的に最善であると信じる治療方法であっても、飼い主さんの側がその価値を体感的に納得できていなければ、治療の目的や内容がいかに合理的で有益なのものであるかを「適切に」説明申し上げたところで、ほとんど意味を成さない可能性が高いからです。
誰もが認める高級な輸入車ディーラーで新車を購入した客が、後になって「国産大衆小型車の4台分以上も払わされて理不尽を感じた」などと、単純な価格の絶対差を吹聴して回ったりはしないでしょう。それはなぜなのかを思い浮かべていただければ、人はどんな時に支払った対価の妥当性を実感できるか?に配慮した「説明と合意形成」の重要性も、イメージし易いのではないかと思います。
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