いつも穏やかでおっとりしたラフィ―くんは、一見すると何の苦労もない人生を送っているようにしか見えませんが、実は何度も山をこえ谷を渡って生き抜いてきた苦労人。
大きな試練だけでも、ガンの温熱治療に始まり、再発時には大きな手術も経験。最近では神経系の珍しい病型のトラブルにも見舞われ、診察する院長も最新の治療情報を求めて紙の文献をあたり、詳しい先生に相談して回り、一つ一つの問題ごとに学びを与えてくれたラフィ―くん。
こうした困難さにもかかわらず、ラフィ―くんが依然として元気に日常生活を送れているのは、言うまでもなく飼い主さんの献身的なお世話の賜物。心が折れてしまっても不思議ではないような苦境にあっても常に前向きなお姿に、院長以下当院のスタッフはいつも身が引き締まる思いでした。
目下は上述の神経系の疾病と持病の心臓弁膜症を管理中ですが、漢方を軸に据え、副作用の面で問題のある西洋薬を補助的な用法用量にとどめることが出来ており、今後さらにホリスティックな方向にシフトする可能性を模索しているところ。
かくも複雑な病歴を見事に乗り越えてきたラフィ―くんは、治療者である獣医師の視点からすると、もはやこのうえ何が起きても不死身なのではないかと思われるほどの勇気を与えてくれています。
ピンバック: 「あおぞら診療日記『ラフィ―くん』」を掲載 - あおぞら動物医院