エースくんは5年ほど前、膀胱内結石の摘出手術を受けました。結石の種類は従来頻用されてきた尿石対応食では解決出来ないタイプで、結石症の再発を阻止する特異的な対策は確立されていません。
エースくんは元々かなりシャイな気質の持ち主でもあり、周術期(外科手術とその前後の期間)の管理がたびたび必要になる状況はもとより、外来で対応される範疇の尿路症状であっても、そのお世話をする飼い主さんの物的・心的な負担は概して大きなものになりがち。是が非でも再発や重症化は避けたいところでした。
外科手術により原因(膀胱内結石)を物理的に取り除いた「その後」について、西洋医学が決め手を欠く場合には、中医学的な見方がしばしば困難な状況を打開してくれます。
幸いエースくんには内分泌の異常など、結石の再発リスクを著しく高めるような基礎疾患がないことは確認できていましたので、術後の早い段階から、後顧の憂いなく漢方を用いた予防的な体質改善療法(養生といいます)を開始。
飼い主さんの決意と熱意がエースくんにも届いた様子で、当初予想された投薬自体の困難さもほどなく乗り越えることが出来ました。飼い主さんの深い愛情と不断の努力に守られ、朝晩一粒ずつの漢方治療を継続。今日に至るまで尿路のトラブルに苦しむこともなく、元気に過ごす毎日です。
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