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さらに意外なことも見えてきました。
「フロントラインが効かない」と訴える人の話をよくよく聞くと、実はなんと普通に開設届の出ている盛業中の動物病院から処方されたケースも含まれているのです。
ここに至ってようやく「なるほどねぇ…」と私にも合点がいきました。スポット剤の薬効や適用方法に問題があるのではなく、駆除後のノミの再寄生をちゃんと制御出来ていなかったのだと。
ノミは昆虫の仲間ですから、卵、幼虫、さなぎ、成虫からなる「生活環」を持ち、代替わりを続けます。ところがこのサイクルの中の「さなぎ」がくせ者で、ノミ駆除剤を含む化学物質による攻撃に対してかなり抵抗性があるのです。
しかも、今うっかり羽化して成虫になってもイイこと無さそうだなぁ~という厳しい環境下においては、その不都合な外部の環境が好転するまで、実に一年程度じっとさなぎのままで待つことが出来るというのですから、驚きです。
ノミがこれから羽ばたこうという世界に、どうやら飼い主さんがフロントラインを「適正に使用した」ワンちゃんネコちゃんしか見当たらないようだとノミのさなぎが察知したなら、羽化は当然見合わせて、じっと何か月も外部環境の好転を待つことでしょう(笑)。
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