ノミ駆除薬(フロントライン)が効かないんですが!?(3)

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最近でこそ、内服させるタイプ(つまり全身投与型)のノミ駆除薬も登場していますが、一般に広く使われている剤型は依然として動物の頚背部に滴下するスポットタイプが主流です。

スポットタイプのノミ駆除薬は、何よりその使用方法の簡便さが特長。毛を分けて地肌に滴下する作業手順は、一度その様子を見せられれば誰にでも簡単に実行できます。

つまり、薬剤の適用方法としての「使い方」に関しては、特別な知識もテクニックも必要なし。シャンプーの直前・直後は避けて滴下するといった使用上の注意点は、どの会社の説明書にも具体的に明記されていますので、これも全く心配いりません。

にもかかわらず、ネットで買って使ってみたものの、ノミが中々いなくならないといった相談が、「当該商品を販売した訳でもない」動物病院に寄せられるのはなぜでしょうか。

正直なところ、最初の頃は私にもよく分かりませんでした。

非正規品などのまがい物か?と思って実物を見せてもらうと、そうでもなさそう。少し前だと、外国で上市されている英語包装の先行品(フロントライン)なども見受けられましたが、最近は我々が動物薬の卸から仕入れるものと変わらない正規品を入手されている方がほとんどなのです。

製品・製剤としての信頼性に問題はなさそうで、薬の使い方(適用法、投与法)も上記の通り簡単至極、間違いようがない。難なく「適正に使用」できそうな感じです。

獣医師の私がみても「これで効かないはずは無いでしょうに」と苦笑せざるを得ない状況に、首をかしげたものでした。

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