①消費増税問題

「選挙だけれど・・・」と称して、悪口言っておしまいというのもなんだか虚しいので、私なりに論点を選び、ちょっと考えてみることにしよう・・・考えても、選挙でどうするって話の解決にはなんないかもしれませんが。

まず最初は消費税から。

①消費増税問題

これはそれほど複雑な問題ではない。消費税をいくら増税しても、財政健全化など決して実現しない。理由は簡単で、収入に比して過大な支出を続ける限り、欠損が生じるのは誰でもわかる。財政の健全化は、政府支出を抑制することなくして、その実現などありえない話である。では、政府支出がなぜそんなに過大なのか? この点には、一見相容れない二つの異なる視点が必要である。ひとつは、無駄遣いが多いという視点。役人(ここでは特に高級官僚をさす)が政府支出を食い物にしているので、元々存在する必要のないコストが、あたかも真っ当な社会コストかのように偽装され、国民がそれに騙され続けているので、無駄がなくならない。

この点は、消えた年金問題と同根である。年金が既に使い込まれた後で、もはや昔約束していたような給付水準は実現できず、しかも恐ろしいことに、それは年金保険料を徴収する側(積み立てた年金を使い込んだ側でもある)は最初から「そのつもり(集めるだけで、給付しない)」だったということ。

リゾート法だといって変な箱モノを変な場所に沢山建て、ことごとく破綻し(岩沼にもグリーンピアがありますね)、つぎ込んだお金(年金)は消えてなくなるが、つぎ込む過程でそれをそっくり飲み込んだ人たちは一切お咎めなしで現在に至るまで健在である。

消費税だって、結局は過去の赤字国債の利払いに窮した政府が、その支払いまで債権者に押し付けちゃいましょうという構図。新聞の投書欄に正義感に満ち溢れた、多分普通にいい人なんだろうなというおじさんおばさんがしたり顔で「子供たちの代にツケを回すわけには行かない」と、財務省が言ってるそのままをとうとうと書き送るのを見るにつけ、どうしてこんなに思考能力が低下してしまったんだろうと嘆かずにはいられない。

頭を冷やして欲しい。国債は政府の借金であって、国民の借金ではない。日本国債は大半が内国で消化されているのだから、国民は債権者であり、既発債の残高はほぼ丸々国民の財産である。財務省やそれに操られる政治家が国債を「国の借金」と表現するのは、そこにペテンが仕組まれているから。国というのは政府と官僚と国民の総体なので、利払いにさえ苦労するほどの政府債務を国民も連帯して背負うものだと勘違いさせる所作は、まさにペテンであり詐欺行為。

したがって、国債の残高は我々の子供たちにとっては、親が残してくれた「財産」だという当たり前の理解をここで取り戻してもらわないと、消費増税が是か非かという簡単極まりないテーマ(当然「否」である。増税は国民の利益がゼロである以上に、もっともっと官僚とそれにぶら下がる補助金中毒者を太らせるだけで、財政健全化には一切寄与しない)も、なんだかややこしく複雑な問題のように見え続ける。

国債は、それを所有する国民の財産であり、政府が約束どおりに返済(償還)するのが当たり前の借金証書であるから、借りたカネのの返済が嫌になったからといって、貸してくれた相手に今度は返済原資までも追い貸しさせましょうなんて甘ったれた債務者の屁理屈に、債権者たる国民はいちいち騙されて乗せられてはいけないという、ただそれだけのことである。

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