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たとえば電池やコピー用紙なら用途も使用法も自明で、誰が購入する場合でも特別な情報提供の必要性は乏しく、単純に「モノ」自体を商材にして価格だけを競うことは合理的だと言えます。

一方、前述した「適正に使用する」こと自体に難しさがある医薬品などの場合、購入する消費者は「モノ」自体に加えて、実際上、期待する効能効果を得るための「知識（情報）」をも必要としているのですが、当の消費者自身がそのことを自覚していない場合が多いのが現状でしょう。

そこをネット販売は狙ってくるわけです。消費者のニーズ（使用目的、運用する環境、使用者の知識レベルのばらつき等々）に即した情報提供のための手間賃を削ぎ落して、「モノ（医薬品）」だけを商材として価格訴求して来ますから、うっかり乗ってしまった消費者は、買ってはみたものの「効かない」「問題がちっとも解決しない」と嘆く憂き目を見るのです。

これから買う「モノ」の価値を存分に発揮させるに際し、別途知識や情報が必要な場合は、そのコストが額面上の価格に含まれているかどうかも消費者の側が判断せねばなりません。

もしその判断がつかない場合は、「モノ」だけを買うような購入様態がなじまない商品かもしれないと思い至る必要もありそうです。

そこで問題になるのが、かくも様々な販路で供給されている犬猫の「ノミ取り薬」が、果たして「適正に使用する」ための知識や情報が別途必要な商品であるかどうかということです。

 

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