リリィちゃんは3歳ころから歯石の付着が目立ち始めました。かなり若い時点で歯石がたくさん付く原因の一つに、乳歯から永久歯への生え変わりが遅かった場合というのが知られています。リリィちゃんの場合にも多少関係していたかもしれません。
この点について問題意識を持っておられた飼い主さんは、リリィちゃんが4歳になったある日、抜本的な解決を期して、全身麻酔下での歯石除去処置を決断されました。
手術予定日に向けて飼い主さんはリリィちゃんの歯磨きブラッシングの特訓を開始。手術の直前までリリィちゃんと二人三脚の訓練を続け、見事ホームケア実行の目途をつけてから手術に臨みました。
あれからすでに数年。日々のブラッシング技術はもはやセミプロの領域に達し、対するリリィちゃんも、ちょっと歯磨きの時間が遅くなった日には、眠い目をこすりながら歯磨きしてもらうのを待ち、完了するや安心して寝床に入るというのですから、ウチの(当院院長の)保育園児にリリィちゃんの爪の垢を煎じて飲ませなければなりません。
リリィちゃんにもう苦労はさせない!という飼い主さんの強い思いは、ヒトの言葉を解さぬワンちゃんにも、まっすぐ伝わるものだという証左ですね。2~3か月ごとにフォローアップのため来院される度に、スタッフ一同すごいねぇ…と感心させられます。
ピンバック: 『あおぞら診療日記「リリィちゃん」』を掲載 - あおぞら動物医院