あれはひどかった。
出張先で翌日の準備をしながら、パソコンを立ち上げ、何とはなしに中継を流していたのだが、
後悔のほうが多かった気がする。
何しろ、もしかしてそうだったのかなぁと、内心恐れていたことが、ものの見事に
「ハイ、正解です。あなたのおかげで、とんでもない人達が政権の座にあったのです。」
とバッサリやられたようなもの。
私は、自民党の現政権も、これっぽっちも好きではない。見るからに頭が良くなさそうな首相が、
強力な後ろ盾(姻戚関係を含む)を得て、特定の営利事業者とタッグを組んで、
効率よく商売が出来るように政策を決定する様は、まさにアメリカ様のブッシュ大統領が
やったコーポラティズムそのもので、その先で大変な展開(いわゆるショック・ドクトリン的な)
が待っているのが、たやすく予見できてしまうのだから、心配でたまらない。
しかし、それでも、である。あの民主党政権というのは、案の定、とんでもない人が成り上がり、
自民党でもやれなかっただまし討ち消費増税の野田佳彦に至るトンデモ政権を示現した、
歴史に残る面々であったと、あの反省会を見る限り、結論せざるを得なかったので、
「見なければ良かった・・・。」というのが、偽らざる感想であった。
全部仔細に聞いたわけではない(聞くに堪えない?)が、覚えている点をいくつか。
この期に及んでも、小沢が悪いのどうのこうのと、真顔で述べる元首相の「器に非ず」ぶりには、背筋が寒くなった。
福島原発爆発に関して国会事故調が指摘するとおり、当事者意識のない東電は論外としても、菅直人がいた
おかげで「東電のフクイチ全面撤退が回避された」と断定される事実は認められなかった・・・のは、なるほど、
その通りなんだろうなと、あれを見てそう感じた。
少なくとも在任当時は、もう少し物の分かった奴だろうと思っていた枝野に対する私の評価は、残念ながら全く事
実に基づかない買い被りだと分かった。尖閣諸島沖で拿捕した中国漁船の船長の処遇について、全くためらう
そぶりも見せずに、「自民党は処分保留で釈放(強制送還)したのに、民主党は逮捕したんですからね!」と
のたまった。それが一体どれほどの暴挙だったのか、地震に原発にと、たいていの人間が人生や己の在り様について
思索を深めざるを得なかったこの二年あまりを経てもなお、全く理解できていないマジバカぶりに、嘘でなく、
私は吐き気を催した。尖閣問題には短期的な解決策など存在しないという現実を、1970年代の日中両首脳は
ちゃんと理解していたから、時々おかしな人間のおかしな動きが表面化しても立件せずに、黙って送り帰してき
たのだ。その間、日本は一貫して尖閣諸島を実効支配してきたし、それでもいいという合意があるから、お互い
立件しなかった。民主党政権は、それを一方的に破棄して、日本国民に多大な損害を与えたというのに、まだ
俺は正しい、バカなのは中国だ、向こうが詫び入れてくるまで俺は梃子でも動かねぇからな!と粋がっている。
言うのはタダである。しかし、それは現実に実現可能かどうかを考えた上で、一国の選択肢足り得るかどうかを
論ぜよということ。今ここでたわごとをほざいているのは、幼稚園児でも、石原慎太郎でもない。ついこの前まで、
一国の大臣だったり、総理大臣の女房役だったりした人がである。
寝言は寝て言え。世も末としか、言いようが無い。
一つだけ、役に立つ話もあるにはあった。長妻が紹介した、世界の新聞発行部数ランキングの上位を日本の全国
紙が独占しているという事実。「世界の新聞発行部数」
これほどまでに、大多数の国民が同一の情報源に依拠して何事かを判断している状況というのは、日本の特殊性
を示す切り口の一つだと、彼は指摘していた。データ元によって、多少順位や中身は異なるが、トップ10に
中日新聞がランクインしているものまであるところを見ると、今更ながら、日本という国に限っては、欧州あたりの
住人相手には決して実現できないような情報操作なり、世論操作なりといったことが案外簡単に出来てしまいそうな
ことだけは、良く分かるというもの。
テレビは、だいぶ前から基本的に見なくなっていたが、新聞もいよいよ読むのをやめるべきときがきたなと思った次第。
読売朝日毎日がそろって仲良く「消費増税は必要不可欠だ」キャンペーンを張ったなと思ったら、同時進行で
「ただし新聞は軽減税率が適用されるべき」という取引も成立していた模様。
やっぱ、民主党の悪口言う前に、権力の走狗である新聞テレビに貢ぐのやめるのが、正しい市民のあるべき姿かなと
反省しきり。
しかし、それにしてもまず、ひどかったなぁ民主党反省会・・・。