若いマイティー君の手に真っ赤なドーム状のしこりが出現し、飼い主さんが相談にみえた時点での大きさは直径およそ10ミリメートルほど。
この組織球腫様のしこりは自然消退することもあるため、経過を観察したところ、わずか一週間後には倍以上に増大。免疫抑制性の薬剤による試験的内科治療も報告されていますが、増大傾向の顕著なものについては、通例、外科的切除生検による確定診断が推奨されています。
感染性皮膚疾患等の除外診断後に、当院が手掛ける中医学的な解決法も検討対象に加えて協議した結果、外科的介入に先立ち、漢方薬を使用した治療を試行することにしました。
痰湿瘀血を解消する漢方処方に加え、アンテドラッグ型コルチコステロイド剤の外用を併用したところ、幸運なことにしこりは速やかに退縮し、三週間めには一切の痕跡を残すことなく完全消失。外用コルチコステロイド剤からも速やかに離脱し、外科も回避できました。
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