新型肺炎に思う(2月の中医研)【前編】

毎月第二土曜日の午後は診療をお休みにして、ヒト医療の中医師の先生に師匠役をお引き受けいただき、中医学を勉強させてもらっています。
 
例年1月は休会なので、今回が本年第1回。開始早々、話題は当然「コロナの新型肺炎」に。
 
幸い仙台地区ではまだ、当該肺炎の確定診断患者の報告は出ていませんので、会のメンバーの先生方の関心は「いよいよ当該肺炎患者がやって来たら、どんな対処法があり得るだろうか?」という点。
 
検疫のため入港できず停泊中の豪華客船の乗客たちが、いよいよ船内で「新型肺炎確定診断第一号」の患者が現れるまでの間、今にして思えば些か無防備に過ぎるかもしれない「船内バカンス生活」を続行していたらしい!?という情報がマスゴミによって報じられた件が話題になりました。
 
日本人には目前の危機に対する当事者意識が希薄である点や、リスクに際し「自分の頭で考えてその後の行動を決める」ための自然科学的な常識が欠如している点に絡み、いくら島国とはいえ、ますます人の動きが激しくなる時代に、ちょっと拙いのではないかとの認識が共有されました。
 
ほとんどすべての国民が初等中等教育を受けているにもかかわらず、きわめて多くのオトナが「ウイルスと細菌の違い」すら理解せぬまま、こぞってマスクの大量買い占めに奔走している最近の状況について、最も責めを負うべきは誰なのでしょうか。
 
ここで語弊を恐れず私の意見を申しますと、生物学的な基礎知識を欠いた大多数の一般人との比較において、その道の専門家であるはずの医療者の側に、より重い責任が存在するだろうと思わざるを得ません。
 
まず社会学的な原則論に基づいて眺めてみます。
 
ある問題について、その道の専門家と素人が同時に当事者である場合、ことの経緯に拠らず、専門家の側により重い責任が求められるとする一般原則があります。専門家というのは、そういうもので、その責任は負いたくないというのなら、専門家であると標榜したり、それらしく振舞うことは慎むべきだという考えです。
 

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