0223-24-0672

院長ブログ
Blog

狂犬病って必要なの?(第二回)

狂犬病って必要なの?(第二回)

「狂犬病って必要なの?第一回」に戻る

②咬まれた人間に「暴露後ワクチン」を打てば済むのではないか?

狂犬病はイヌが罹ってもヒトが罹っても、発症する前に診断する方法がなく、上述の通り、発症したら死ぬしかない感染症です。

加えて発症までの潜伏期間(無症状)が非常に長い(0.5~2か月)ことも、防疫上の対処を難しくします。

従って、狂犬病の侵淫が否定できない状況や地域で動物に咬まれたら、その時点で直ちに(本当に狂犬病をうつされたかどうかとは無関係に)、通算4~6回に渡る「暴露後ワクチン」の接種を開始することになります。

曝露後ワクチンのプロトコールが正しく実施されれば、狂犬病の発症(死亡)を効果的に回避することが出来ます。

国内感染による発症者は長年ゼロの日本ですが、2006年に海外でリスに咬まれた日本人が、帰国後狂犬病を発症し亡くなりました。

海外感染後に国内で発症というパターンは、今後も確率統計的に散発することが予想されます。

問題は、このような事例が発生すると、短期間のうちにヒト用狂犬病ワクチンの需要が増加し、上記2006年の事故後には、わずか二カ月足らずの間に当座の国内備蓄ワクチンが枯渇。

その後、需給が均衡し、安定した供給体制へと復帰するまでには、相当な期間を要しました。

つまり、供給が安定するまでの間は、狂犬病清浄国・日本に居たところで、正真正銘の「お手上げ状態」に陥るということです。

生物学的製剤であるワクチンには必ず有効期限があり、期限満了までに消費し切る当てがない状態で、例えば全国民分を大量備蓄しておくのは非現実的です。

また、定期的・定常的に消費される見通しもないワクチンを、安価かつ大量にオンデマンドで供給できるような製造主体は見当たらないことから、狂犬病の防疫は現在まで行われてきたのと同様、「イヌの側」で定期的・計画的に実施することが最も合理的だという結論になります。

(第三回に続く)

第一回に戻る

宮城県 岩沼市 動物病院 あおぞら動物医院 ©2026