当院の考え方
Clinical Practice
診療ポリシー
病気とは
『病気を治す』から『病気にならない』へ
当院の方針1:「すぐにまた病気にならない治療」
当院は、従来からの西洋医学にとどまることなく、充実したカウンセリングに基づき、漢方・鍼灸など東洋医学的な手法を駆使した「すぐにまた病気にならない」治療、ホリスティック(※)な飼養管理助言を提唱しております。
従来型の西洋医学的手法と、東洋医学の持つメリットを自在に組み合わせ、効率良く、再現性の高い治療を提供するのが目的ですから、動物の漢方治療における当院の豊富な経験や造詣の深さを標榜するのは当然として、同時に、巷で見かける「なんでもかんでも漢方で治療しよう」とする発想は是としない点についても、あわせて強調しておきたいと思います。 (※)「全体的」「包括的」という意味。物事を部分だけでなく、心、身体、環境などを含めた全体として捉えること。
当院の方針2:「オーナー様の不安を取り除く診療」
さらに当院の治療を特徴づける認識として、「オーナー様の不安を取り除く」ことを重視している点を挙げておきたいと思います。
「そんなの当たり前のことだろう」とお感じになるかもしれませんが、当院の問題意識は「オーナー様の強い不安や恐れ」自体がペットの病気を深刻化させたり、再発の呼び水になっている例が少なくないという点にあります。これは精神論などではなく、一般性のある事実なのですが、納得していただくには相応の説明を要する現状もあります。
特に病気が長期化し難治の様相を呈するケースの解決においては、オーナー様が心の平穏を取り戻すプロセスがどうしても必要で、その実現にスタッフ一同がしっかりコミットする決意の下、日々の診療にあたっております。
治療の捉え方
「病気の治療」を、皆で目指す大きな山に例えるなら、そこにはきっと複数の「登山道」があるはずです。登る人の体力やコンディション、時には好みによって、選ぶべき登山道はおのずと決まります。
私たち獣医療提供者は、安全な登山をサポートし、成功に導く「山岳案内人」のようなもの。案内人が「標準的な登山道(現代西洋医学に)」に精通すべきことは、半ば当たり前のことです。
そこで特に当院が注力するのは、漢方や鍼灸に代表される「東洋医学的な登山道」の整備。残念ながら往々にして非科学的でいかがわしい登山道が紛れ込む「玉石混交」の同分野において、安心、納得して選択していただける環境を整え、「治す」だけにとどまらず、「すぐにまた病気にならない」段階までご案内するのが使命であると考えます。
動物にとって最善であり、お世話にあたる飼い主さんにとっても最適な「登山道」を提案できるよう、しなやかな発想で日々の診療業務に臨んでおります。
診療の指針
準備中
統合医療について
準備中
漢方外来
ペットの寿命が伸びるのと軌を一にして、高齢の犬や猫の受診が増えています。
現代西洋医学の世界では、アカデミズムの領域においても大真面目に「老化は病気である」とする考え方が提起され、一定のコンセンサスもあるやに聞きます。老化に伴って、若い頃と同じようには体が言うことを聞かなくなるのは事実で、それが日常生活の質を落とす原因になると認識された以上は、医療者がその本分である「病気を治す(修理する)」技術を駆使して、顧客の身体的・機能的な若返りの実現に協力したいと考えるのも自然であり、その気持ち自体は純然たる善意に基づくのだろうと思われます。
しかし、普通の人にとって、普通の飼い主さんにとって、「老化は病気である」と言われたり、そうなんだ!と思いこむことのデメリットは、決して小さくないだろうと当院は考えます。そう考える理由はいくつもあるのですが、その一つを例にとって話を続けたいと思います。
年を取るにつれて身体は老化するのですから、前置きもなく老化自体が異常な現象だと言ったら、大抵は「えっ?」と思われることでしょう。そうであれば、「老化は自然なこと」であり、それ自体を回避しようなどと本気で思うことの方がナンセンスかもしれません(しかし、老化は回避すべきものだと皆に思わせておいた方が商業的には都合が良いという事実はあります)。
さて、ここからが問題です。老化は病気であると、深い思索もなしにうっかり思い込むと、「病気になるのは自然なこと」とか「病気になるのは避けがたいこと」といった感覚と地続きの状態に陥り、ペットやご自身の健康を考えるときに、いとも簡単に重大な判断ミスを犯しやすくなる・・・そのように見える場面に度々遭遇してきました。
老化は自然の摂理に沿ったものですが、病気は本来「なる方がおかしい」のであり、もっと言えば「不自然な体の使い方をした結果、病気という自然ではない状態に陥った」と考えないと、いつまで経っても獣医や医者の「良いお客さん」のまま、年がら年中、体調不良に悩まされることになります。日常会話の文脈において「老化は病気である」なんてのを無批判に受け入れると、誇張ではなく、病気から脱却すること自体が困難になってしまいかねないことに目を向けていただきたいわけです。
年を取ると心臓の機能が低下するため、循環器障害が起こりやすくなるもの。西洋医学では、心臓が悪くなると降圧剤を投与して血管を拡張させ、心臓にかかる負荷を少なくします。しかし、今度は心臓以外の臓器に負荷がかかるため、それを抑えるための治療が必要になります。
そこで、中医学が活躍します。末梢循環障害や他の臓器への負担を漢方で補うことで身体の負担が減少。その結果が、長生きに繋がっていると考えられます。
セカンドオピニオンへの取り組み
弱り果てたペットを診てくれる動物病院をいくつも探して、ようやく当院に辿り着くという方がいらっしゃいます。あれこれ試しても上手くゆかず、追い詰められた末に「漢方」の効果に望みを託されて・・・というパターンが多いようです。
しかし、病気を治すためには腕のいい獣医師やクスリ云々以前に、ペットの持つ自然治癒力が残っていることが死活的に重要です。他方、来院が遅くなった理由を尋ねると、「よその動物病院で診察を受けることは、かかりつけ医に背を向けているようで心苦しい」と話される方も少なくありません。心情的にはよく分かりますが、過ぎた時間を取り戻すことはできず、悔いが残る原因にもなりかねません。
当院の獣医師も含めて、一人の獣医師に何もかもすべてを期待することには無理があり、症状や分野に応じて異なる動物病院に相談したり、診察を受けることを躊躇するのは、合理的な判断ではありません。当院で提案された治療を受けたからと言って、元々お世話になってきたかかりつけ医まで変える必要はありません。
当院は、飼い主さんがセカンドオピニオンを得る場としてもご利用いただいております。ご家族だけで抱え込み、堂々巡りで悩んでいる間にも時間は過ぎてゆきます。起死回生、逆転のチャンスが残っているうちに、ご相談いただきたいと思います。