元々は、ヒトである私自身が長年にわたり西洋医学の傘の下で治療を受け続けたにもかかわらず一向に良くなる気配がないことに、遅まきながら疑問を抱いたことが、西洋医学「以外の」医学というものに興味を持ったきっかけでした。
高校生のころから消化器系のトラブルに悩まされ続け、トイレの不安から気軽に外出もできないという悩みや、アレルギーが関与していると思われる季節性のひどい鼻炎やぜんそくが、中年期に差し掛かっても軽快するどころか年々重症化する様相を呈してきたことへの不安がいつも心に重くのしかかっていました。
この間、居住地も九州、東京、宮城と変遷しており、症状の原因に地域性があるとは考えにくい点に加え、その時々に受診した医師も必然的に相応の人数に及んだことから、獣医師という職業柄、個々の医師の診断や治療技術が原因で私の不調が「治らない」または「悪化した」訳ではなさそうだとの理解もありました。
世の中には職能上問題のある医師というのも多数存在しますが、私がかつて継続的に受診した主治医たちの中には、少なくとも医学なり生物学の理解において、科学的な素養を欠いていたり、学問をするための基礎的なトレーニングが済んでいないような人は皆無でした。そもそも獣医師である私ですら首をかしげたくなるような診断や治療を提案してくるような医師のもとに、何度も通い続ける理由がありません。
そこである時、不意に頭をよぎったのは、私が受けた治療(のみならず職業上の教育も!)の根拠である西洋医学自体に、何らかの瑕疵がある可能性というものを考慮しなくてもよいのだろうか?という深刻な疑問でした。
中医学って何でしょう?(3)に続く