熱中症が急増してます

梅雨明け以降、暑さが本格化しています。

ヒトがそうであるのと同様、イヌやネコたちも、急激な気温の上昇に「慣れる」までのあいだは、体調が不安定化しやすいと言えます。

特に高齢の動物において、暑さ対策が重要であるとはしばしば言われますが、現在当院で入院治療を受けている症例は明らかに若齢です。

本格的な夏の暑さが始まった直後は、どの年齢層にとっても大きな負荷がかかっている証左とみることもできますし、「まさかこの程度の時間、このくらいの暑さにさらされた程度で、こんな大変なことになるとは思わなかった」という認識が災いするケースは、むしろ若齢動物を飼育するご家庭にありがちだという見方もできます。

ここであらためて、暑さ対策に関するポイントを確認しておきたいと思います。

①留守中に空調を切ってしまうことは危険です。

空調を行わない(湿度の抑制が図られない)状態では、室温がおおむね28℃を超えたあたりから事故に至る率が跳ね上がります。冷房により管理された空間では、28℃前後でも熱中症の事故に至ることは稀です。

動物の年齢や体調にもよりますが、空調管理の目標として、室温が25~26℃になるよう冷房を運転すれば、安全・快適にお留守番させることが出来ます。

②お散歩の可否判断は慎重に!

イヌは路面から極めて近いところで輻射熱にさらされます。炎天下のお散歩は明らかな動物虐待です。お散歩に連れ出して大丈夫かどうか、迷うくらいでしたら見送りが賢明です。

また、ペットの加齢を考える際、イヌの1年はヒトの4~5年にも相当します。去年、おととしの記憶を頼りにして「いま」の判断を誤らないでください。

 

◎参考までに、過去の似たような記事へのリンクも下に貼りつけておきます。

(2018年7月)熱中症対策が「水を飲むこと」だなんて!

(2019年7月)暑さ対策は万全ですか?(特に不在時)