2月7日、イトーチェーン玉浦食彩館(岩沼市)で「飼育ワンポイントアドバイス(第三回)」を開催しました。
今回はシリーズ最終回。「イヌやネコと楽しく暮らすために何より大切なことは?」と題して、中年齢期以降のペットと暮らすうえで重要な「大病を抱えないためのノウハウ」について、様々な切り口から話題提供させていただきました。
年齢を重ねるにつれ、若い頃は気にも留めなかったような些細なきかっけで体調を崩し、大いにがっかりする事情は、ヒトも動物も変わりません。
しかし、それに「飼い主さんが気付いてあげた時」に初めて治療対象となる点で、やはり物言わぬペットの早期診断・治療には越えるべきハードルが余分に存在するとも言えそうです。
他方、「そうあってほしくはない」「気のせい、年のせいで大したことはないだろう」といった心情が、ペットの診断や治療のタイミングを遅らせる結果につながるリスクは、ヒトである飼い主さんご自身の健康における同様のリスクよりもかなり大きいと言われています。
ヒトは「見たいものだけを見る」生き物だという指摘が思い出されますね。
今回の参加者にヒトのお医者さんがおられ、ペットの死を「宣告」するのは誰かについて言及がありました。「死」はどうしても恐怖や不吉さとともに語られがちですが、よくよく考えてみると少し奇妙なことのようにも思われます。
我々人間も含めて、生きているものすべてが必ず迎える死は、その前段の生と不可分であると考えざるを得ません。生きることが素晴らしいのであれば、その最後を形作る死だけを切り出して、例外なく無条件に「悪いことだ」とするのは、論理的に無理があるからです。
今すぐには難しいかもしれませんが、命あるものとの別れをどのように受け止めるのか、これまでの私たちの認識自体に誤謬は無いのかといった課題について、「目に入れても痛くない」ペットとともに暮らすオーナーさんたちとも議論を深める機会が必要かもしれない…
そんなことに思いを馳せた「飼育ワンポイントアドバイス(第三回)」でした。
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