おめでとうございます。そして、ありがとうございました。

当院の最古参スタッフである工藤真琴さんが、5月末で退職されます。

一年前から決まっていた寿退職ですので、おめでとうございますということなのですが、

在職は10年にも及び、文字通り、あおぞら動物医院の歴史と共に語られるべき存在だけに、

見送る側にとっても感慨深いものがあります。

 

この間に動物病院をめぐる経営環境は大きく変化し、かつては後から後から応募があった

動物看護職も、実際に現場で要求される高度な知識や技能、或いは生体を相手にする

職務の宿命である「時間的見通しが立たない」実情など、従事する人にとっての厳しさが

広く人口に膾炙するにつれ、担い手不足が深刻化してきました。

 

当院の取り組みとしても、まず避けがたい休日出勤(重症動物が継続して入院治療する

場合など)を埋め合わせる努力として、事前に顧客に告知の上、統計上比較的来院者が

少ないと予想される日程(例外も多く、ピッタリ言い当てられるわけではないのは当然とし

ても、純粋に動物が病気になる確率とは別の要因により、一定の傾向性をもって来院者

の多寡が変動するのは事実なのです)で、可能な限り代休を設定したり、獣医師が出張

で診療部門が休診の際には出勤員数を減じて輪番休暇を取得してもらうなど、世間一般

の勤務労働者と比較して明らかに劣ると思われる「休み」の少なさに対して、具体的な

改善を目指して参りました。

 

また、午後の遅い時間帯での応需を抑制することや、一日当たりの新患応需の件数に

上限を設けるなどして、スタッフの退勤時間の繰り上げを目指して参りました。その結果、

従来は10時、11時が当たり前だった所が、最近では平均してギリギリ9時前くらいには

早まってきており、スタッフ自身の作業効率化による労働生産性向上の努力と相まって、

大きな成果を出しつつあります。

 

しかし、それらはそのまま、ご利用される顧客にとっての「不便さ」につながり得る問題ですので、

全ては利用者各位のご理解あっての施策。愛想を尽かさずに引き続き当院をご支援いただいた

顧客の皆様には、従業員ともども、心から感謝しております。

 

月替わりからは、ベテラン1名分の穴を残りのスタッフ(今春増員した新人一名を含む)と獣医師で

埋めてゆく必要に迫られますので、当面は利用者各位にご迷惑をおかけする場面が増えてしまう

かもしれません。現実問題として、当分の間は予約応需の件数も従前同様というわけには、

行かなくなると思われます。スタッフ一丸となって、サービスの維持を目指して努力させていただく

所存ですが、もしどなたか、動物看護職にご興味のあるお知り合いなどいらっしゃいましたら、

ぜひご紹介いただければと存じます。自らの専門性を高め、顧客の期待に応える中で信頼を

得た暁には、とてもやりがいに満ちた自己実現の場になる・・・動物看護職に従事することは、

そんな得難い経験であることを、一言宣伝させていただきます。

 

それにしても、頑固で融通の利かない院長の厳しくかつ非常に細かい指示や要求にもめげず、

10年もの長きに渡ってあおぞら動物医院を支えてくれた工藤さんは、本当に尊敬すべき頑張り屋さん

でした。間違いなく、あおぞら動物医院の草創期を支えた重要人物でした。本当にどうもありがとう。

 

あわせて、同じく長きに渡って工藤を温かく見守り、育てて下さった当院顧客の皆様にも、

深く感謝の意を表したいと思います。そして、これからも残ったスタッフならびに、(少なからず)

「面倒くさい人」系かもしれない院長を、引き続きご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。