「どこまで治療してあげたらいいですか?」(2)

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問題は、獣医師の私から告げられた病状が命にかかわるほど深刻であり、対応策として提案された治療内容がいろんな意味で困難を伴いそうなものであった場合です。

つまり、その治療を施した際の勝算が五分とか六分であったり、そもそも普通の意味での治癒を目標に据えること自体が難しい、あるいは選び得る治療法は複数存在するがどれも一長一短であり、その優劣に学問的な合意が形成されていない・・・などの状況下では、何よりもまず論点の整理が必要です。

大まかに言って、選択した治療法ごとの有利な点と不利な点、ならびに予後の見通しに関するものがまずひとつ。さらに治療を断念した場合、もしくは積極的な治療をしないという選択をした際の予後や、その先で発生が見込まれる困難な問題に対処し得る方策はあるのか?といった順に整理していきます。

その議論の中で、飼い主さんとして加療を望むのかどうかというシビアな選択について、ご家族内での合意形成や最終的な意思の決定へと進んでいく方向性が期待されます。ただし、この過程における飼い主さんの苦悩が、文字通り「察するに余りある」ものとなってしまいがちであることは、言うまでもありません。

 

「どこまで治療してあげたらいいですか?」(3)に続く

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